頭の隙間のダイアログ

日記。筆記開示。オートマティズムの精神。自己対話。

昼寝をしていた間に夢。
自分は、ある上流階級家庭の客として家を訪れている。家庭には男女の両親と娘が一人。

その家の使用人の視点に切り替わる。この家の過去の記憶。使用人の自分はおつかいから帰ってきて、屋敷の庭園に走って入っていくところだ。辺りは夕方で真っ暗。道順に沿って並んだ庭石の上を渡っていくと、その先に、鬱蒼と庭木の生い茂る空間がある。木々の隙間から人の気配がする。その家と関わりの深い人物がそこに座っている。長髪の黒い髪をしたふくよかな女性。念仏のようになにかを唱えている。棒状のなにかを手に握って、皿だか板だかに、それを打ち付けている。ひどく集中して、鬼気迫っている。自分はその人に用事があり、話しかける必要があったのだが、いつもと様子が違うためとっさに、恐ろしい、気づかれるとまずい、と感じ、踵を返してその場から逃げ去った。時間が飛ぶ。大手中古ショップの上層階にいる。閉店セール中らしく目を爛々と輝かせた客でごった返している。棚という棚がひっくり返される勢い。人いきれをかき分けて、ある品物を探している。そして見つける。それがなんだったかは思い出せない。ぬいぐるみの類だった気がする。手に入れたものを携えて屋敷に戻る。雇い主、家主の夫婦にそれを渡す。いたく喜んでくれる。

視点が変わる。家主の女性の視点。中庭で儀式をしていた女性と話をしている。彼女は妊婦で、この家の夫婦の子供を代理出産してくれる存在だとわかる。年齢は27。ひどく病み疲れて、老け込んでいる。あと数年しか命が持たない。あらかじめ死ぬ日時が定められている。彼女は自分の正確な寿命を知っている。彼女は自分の死の運命についてや、子供を産むことについて、諦め、恨み、怒り、疲れに支配された口調で話す。

時間が飛ぶ。視点が客人のものに戻る。彼女の娘はすでに産まれていて、5~6才にまで育っている。娘は、彼女を代理母だと認識しないまま過ごしてきたことがわかる。代理母はインターネットで動画配信をやっている。彼女の人生自体をコンテンツに、すべてをリアルタイムで中継している。彼女の産んだ娘や、その家庭構造に触れるコメント、代理出産の通告をうながすコメントなどが流れる。自分は事情も配信もすべて理解した上で黙って、この家の人々と表面上の人付き合いを遂行している。