意識は流体だけど文字に焼き付けると固体になる
気分に左右される
流動的なもの
でもその一瞬一瞬は固定的に感じられる
一定であることと、不定であることの境
正常と狂気の境目
ものを書いているとき僕は、ある状態、ある気分を固定しようと思っていると思う
なんのためにか
離れるために
例えば体中を、毒虫が這いずり回っているときの気分、そいつを固定することによって、そこから切り離れることができる、第二宇宙速度で
はしゃいだ気分も、悲壮な恥も、憂鬱も陶酔も癇癪も、意識全体を占める感覚から意識の一部を占めるパーツに変わる
無重力下の自分が地上にいる自分を観察して言う
"それはそれとして"
人格、認識、自我
意識
腸内フローラをおもう
毒を帯びた自分、浮かれた自分、恥じている自分
例えばそれらはおびただしい数の微生物、全体を構成している一部
確かに自分の中にその状態もあり、それはそれとして、そうしていながら、他の感覚を呼び起こすこともできる
不安と安心は共存できる
恐怖と愛情は共生する
憎悪と劣情は両立する
軽蔑と畏敬も
軽薄と深刻も
だから意識は矛盾する
どっちでもあるし、どっちでもない
意識にのぼってくるもの、それは刺激に対する条件反射の電気信号が踊らせている涎
僕の中で書くことの薬効は、条件付けされた反応を別の反応に書き換えるために使われようとしている
ある反応を別の反応に書き換える
認識を書き換えること、それが学習
動作も、思考回路も、あらゆる手順は、なにかを真似て覚えられた
複製
コピーしてきてペーストされた思考
それが分裂したり融合したり
遺伝子的な意識
他者を真似て自分は形成されていく
粘土のように形を変える
むにゃむにゃ