喧騒
年号が変わるというニュースで持ちきりだ。
歴史に対して人々が意識的になり、ハレの気配で満ちる。
不思議な感じがするものだ。
2011年3月にも同じことを思ってた。
今まであったものが大きく覆り、変動し、書き換わっていく。それについて人々が言及し、思いをはせる。ひとつの現象、ひとつの区切られた時間に向かって、膨大な数の個のエネルギーが集まって収斂していく。その力強さを遠くで見ている。
戦、祭り、災害。
僕もうずの渦中にいて、ぐるぐるに飲み込まれている。でも、目が回って遠近がぶれる。
うずはずっと渦巻き続けている。
殻にはひびが入り続けている。
コップには水滴が落ち続けている。
種が裂け胚が芽になるとき、細胞が分裂して親と子が分かれるとき、最初の鼓動、最初の呼吸が産まれるとき。期が満ちるとき。それは一個の破壊で、一個の祝福。
誕生と呪いはよく似ている。